アパート経営は儲かるのか?
という問いに対して、場所とテナントによるというのが最大のポイントになるわけですが市場動向としては緩やかな下降を見せています。
アパートの建設、又は着工戸件数は年々増加傾向にありましたが2016年までは順調に増加傾向に有りましたが、2017年から現在においては緩やかに下降しているのが実情となります。
アパート経営においては家賃が将来的に下がる可能性が高く、修繕等の費用も必要経費として確保して行く必要もあるので一定の需要は見込めるが、競合等は厳しくなることが予想されていることなので慎重に検討していく必要があります。
今回はこの様なアパート経営に関してのマル秘話も含めて紹介していきたいと思います。
この記事のもくじ
国土交通省発表の新設住宅着工戸数の推移 (総戸数、借家系・借家系別)
(千戸)
年度 | 総戸数 | 持家系 | 借家系 |
H11 | 1,226 | 788 | 438 |
12 | 1,213 | 784 | 429 |
13 | 1,173 | 721 | 452 |
14 | 1,146 | 682 | 464 |
15 | 1,174 | 707 | 467 |
16 | 1,193 | 716 | 477 |
17 | 1,249 | 723 | 526 |
18 | 1,285 | 738 | 547 |
19 | 1,036 | 594 | 441 |
20 | 1,039 | 583 | 456 |
21 | 775 | 451 | 325 |
22 | 819 | 521 | 298 |
23 | 841 | 544 | 297 |
24 | 893 | 566 | 327 |
25 | 987 | 612 | 375 |
26 | 880 | 514 | 366 |
27 | 921 | 531 | 390 |
28 | 974 | 541 | 433 |
29 | 946 | 531 | 416 |
30 | 953 | 555 | 398 |
アパート経営は儲かるのか?
収益不動産経営は、収益が家賃収入となるので表面利回りと実質利回りで物件の収益性を正しく判断する必要があります。
表面利回りに関しては、経営にかかる経費計上が一切されていない数値となるため、現実的な状況を把握できる数値では有りません。
実質利回りは、修繕積立金から火災保険などのランニングコストも含まれるため、現実的な数値を弾く出すことができるため、融資を受ける際などにも必要な提出書類となってきます。
表面利回りについて
表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 不動産購入価格 × 100
表面利回りに関しては、投資判断や資金計画を考慮することができないので、有利な利回りのように見えてしまうので現実的では有りません。
実質利回りについて
実質利回り(%) = ( 年間家賃収入 ー 年間諸経費合計 ) ÷ ( 不動産購入価格 + 購入時の諸経費合計 ) × 100
実質利回りにおいては、空室分の損失として年間10%程度、経費計上することで現実的な収益率に近づけることができながら空き家発生などの変動要因も考慮して検討することができるので、実質利回りがないと想定はできないと言えます。
空き率について
空き家率(%) = ( 空き家部屋数 × 空き家日数 ) ÷ ( 全部屋数 × 365 ) × 100
アパート経営において、空き家リスクは必要リスクであり、空き家0というのも現実的ではないと考えるのが安全です。
アパート経営で失敗しないために知っておきたい落とし穴について
アパート経営において、利回りは生命線とも言えますが、あくまでも目安でしかなくやってみないとわからないのが現実です。そして、アパート経営が儲かるのか?という部分に関しては、
アパート経営に関しては、儲からないことの方が多く、リスクを最大限に想定して経営をしないとあとから痛い目にあうので要注意です。
アパート経営での落とし穴となる最大のリスクは、空き家と低下する利回りです。だからこそ、受け入れられるリスク許容値を超えないようにし、年々低下する実質利回りを考慮しておくことがアパート経営の成功の秘訣と言えます。
そして、自己所有の土地で、アパートローンを組まずに自己資金だけで十分に賄うことができるのであれば利回りも高くなるので成功する確率も高くなるかと思います。
反対に、土地から購入して自己資金が少ないからアパートローンを使わないといけないというときにはやはり儲からないリスクが高くなっていると思われます。
相続税減額効果が高いから借り入れによる借家建築が増加
アパート等の借家建築着工数が増加傾向にあった背景には、2015年の相続増税が影響しており、相続税対策の減額効果が高い「借り入れによる借家建築」が増加し、合わせてアパートローンも増加したと推測されています。
法人事業主による金融暖和による積極的な不動産投資が盛んになっていることや、資産運用の一環として会社経営者が投資している借家建築もあるので、相続税対策目的の個人が建築しているだけではないということもあります。
今後に関しては、日銀の警告もあるので個人の相続税対策としてのアパート建築は徐々に落ち込んでいくと推測されます。あくまでも借り入れがないと相続税対策の効果は高くなく、アパート建設資金も不足してくるという関係性からです。
だからこそ、自己所有の土地でアパート経営を行うことができたり、格安で土地を購入することができるなどの条件は成功するためには必要な要因となるのです。
アパート経営は儲かるのか?まとめ
アパート経営で成功と言われる利回りを高い水準に保つための策として、土地取得等に掛かる費用を抑えることや、アパート管理を管理会社任せにせずに、自分で管理するなどし、
最小の経費に押さえながら運営していくなどの努力は必要不可欠で、一括借上げ(サブリース)をしないなどの自己管理による家賃収入率を低くしない対策なども必要となります。
近年ではアパートやマンション等の賃貸経営を推奨する様なコマーシャルも見かけますが、アパート経営にしてもマンション経営にしても赤字になってしまっては元も子もありません。
しっかりしたリスク対策と、アパート管理が成功への秘訣と言えそうです。